静電気と電磁力は「鏡うつし」:QとmでわかるEとHの対応表
電験三種「理論」の山場、電磁力を静電気との『鏡うつし』構造で一気に攻略。電荷Qに磁荷m、電界Eに磁界H、誘電率εに透磁率μ——式の形が完全に同じだとわかれば、暗記量は半分。苦手意識をなくし、電気と磁気をまとめて得点源に変える独学者のための決定版です。
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この記事で身につくこと
電験三種「理論」を進めていくと、前半で 静電気(電界)、後半で 電磁力(磁界) を学びます。 ここで多くの独学者がこう感じます——「また新しい記号と公式が山ほど出てきた……覚えきれない」。
でも、安心してください。実は 電磁力は、静電気の“鏡うつし” なんです。 記号が違うだけで、考え方も式の形もほとんど同じ。片方を理解すれば、もう片方は おまけのように頭に入ってきます。
本記事を読み終えたら、
- 電荷Qと磁荷m、電界Eと磁界Hの 対応関係を即答 できる
- 誘電率εと透磁率μが 同じ役割 を持つことを説明できる
- 電気力線と磁力線の式が そっくり同じ形 だと見抜ける
ようになります。暗記量が一気に半分になる、おいしい単元です。
暗記フレーズ:Qとm、EとH、εとμ。静磁は鏡うつし
電荷Q ↔ 磁荷m / 電界E ↔ 磁界H / 誘電率ε ↔ 透磁率μ
この3組のペアさえ口に出せれば、静電気と電磁力は 同じ地図の上 に並びます。 「全部別物」と身構えるのをやめて、「片方を裏返したのがもう片方」と捉え直す。これが最大のコツです。
なぜ「鏡うつし」と言えるのか
電気と磁気は、別々に発見されたので別々の記号がついています。 でも自然界の仕組みとしては、驚くほど同じ構造 をしています。
| 電気(静電気)の世界 | 磁気(電磁力)の世界 |
|---|---|
| 電荷 Q | 磁荷 m |
| 電界 E | 磁界 H |
| 誘電率 ε | 透磁率 μ |
左の列を覚えたら、右の列は「記号を置き換えるだけ」。 だからこそ、新しく覚えることはほとんどない のです。
電荷Q ↔ 磁荷m:空間の影響を受ける“主役”
電気の世界の主役が 電荷 Q[C] なら、磁気の世界の主役が 磁荷 m[Wb] です。 この2つは、置かれた空間(εやμ)の影響を受けて、出てくる線の本数が変わります。
ここで大事な区別をひとつ。
- 電束φ[C]・磁束φ[Wb]:空間の影響を受け ない(中身そのものの量)
- 電荷Q・磁荷m:空間の影響を 受ける
「束(φ)は空間に左右されない/荷(Q・m)は左右される」——この線引きだけ押さえておきましょう。
電界E ↔ 磁界H:線の“密度”
電界 E とは、電気力線がどれだけ密に集まっているか——つまり 電気力線の密度 のこと。 そして 磁界 H とは、磁力線の密度 のことです。
役割まで完全に同じ。だから、
💡 電界E = 電気力線密度 / 磁界H = 磁力線密度
と並べて覚えれば、片方を思い出せばもう片方も自動的に出てきます。
誘電率ε ↔ 透磁率μ:空間そのものの性質
電荷や磁荷が「どれだけ線を出せるか」は、置かれた 空間の性質 で決まります。 その空間の性質を表すのが、電気では 誘電率 ε、磁気では 透磁率 μ です。
真空中の値は試験で頻出なので、ここで丸ごと覚えてしまいましょう。
| 係数 | 記号 | 真空中の値 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 誘電率 | ε₀ | 8.85 × 10⁻¹² | [F/m] |
| 透磁率 | μ₀ | 4π × 10⁻⁷ | [H/m] |
εとμは、式の中で まったく同じ位置 に入ります。これが「鏡うつし」の決め手です。
式の形まで“そっくり同じ”:力線の本数N
ここまでの対応が本物だと確認できるのが、力線の本数 N の式 です。 電気力線と磁力線、それぞれの本数はこう表されます。
見てください。記号が QとMm、εとμ、EとH に置き換わっているだけで、式の構造は寸分違わず同じ です。 (Aは線が貫く面積)
「電荷を誘電率で割れば本数」「磁荷を透磁率で割れば本数」。 片方の式を覚えれば、もう片方は記号を入れ替えるだけで導けます。これこそ暗記量が半分になる理由です。
静電気・電磁力:対応マトリックス
最後に、すべてを1枚の表に整理します。 左を覚えたら右は記号を置き換えるだけ——この感覚を体に染み込ませてください。
| 項目 | 電気(静電気) | 磁気(電磁力) |
|---|---|---|
| 主役(空間の影響あり) | 電荷 Q [C] | 磁荷 m [Wb] |
| 束(空間の影響なし) | 電束 φ [C] | 磁束 φ [Wb] |
| 線の密度 | 電界 E | 磁界 H |
| 空間の係数 | 誘電率 ε | 透磁率 μ |
| 真空中の値 | ε₀ = 8.85×10⁻¹² | μ₀ = 4π×10⁻⁷ |
| 力線の本数 | N = Q/ε = EA | N = m/μ = HA |
この対応が頭に入れば、電気で学んだ知識が そのまま磁気の得点 に化けます。
まとめ
- 電磁力は、静電気の 「鏡うつし」 ——記号が違うだけで構造は同じ
- 電荷Q ↔ 磁荷m(空間の影響を受ける主役)
- 電界E ↔ 磁界H(線の密度)
- 誘電率ε ↔ 透磁率μ(空間そのものの性質)
- 力線の本数 N = Q/ε = EA / N = m/μ = HA は完全に同じ形
- 真空中:ε₀ = 8.85×10⁻¹² [F/m]、μ₀ = 4π×10⁻⁷ [H/m]
暗記フレーズ:Qとm、EとH、εとμ。静磁は鏡うつし
「電気と磁気は別物」という思い込みを手放せば、覚える量は半分。 苦手だった電磁力が、一番おいしい得点源に変わります。
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