静電気と電磁力は「双子の公式」——εをμに替えるだけで全部解ける
電験三種「理論」で多くの人が別物として丸暗記してしまう静電気と電磁力。実はこの2つ、公式までそっくりな『双子』です。E=Q/4πεr² と H=m/4πμr²、クーロン力、蓄えるエネルギー、電束密度Dと磁束密度B——左右で見事に対応する対応表を一度作れば、覚える量は半分になります。εをμに替えるだけ、というたった一つのコツで、苦手だった電磁力がスッキリ攻略できます。
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「静電気はなんとか覚えたのに、電磁力でまた新しい公式が山ほど出てきて心が折れそう……」——そう感じていませんか。
実は、これは大きな誤解です。**静電気と電磁力は、公式までそっくりな『双子』**なんです。別物として2倍の量を丸暗記している人が本当に多い。でも、対応表を一度作ってしまえば、覚える量はほぼ半分になります。
このページを読み終えるころには、「電磁力って、静電気の式の文字を1つ入れ替えただけじゃないか」と、肩の力が抜けているはずです。一緒に攻略していきましょう。
この記事で身につくこと
- 静電気と電磁力の公式が「左右でぴったり対応する」全体像
- 距離 r が「1乗か2乗か」で詰まらなくなる整理のしかた
- クーロン力の係数 9.0×10⁹ と 6.33×10⁴ の覚え分け
- 「磁界には電位Vがない」という、見落としがちな非対称ポイント
- エネルギーの3つの式が「全部同じ」だと一瞬で見抜くコツ
暗記フレーズ:「εをμに替えるだけ」
今日のキーワードはこれだけです。
「εをμに替えるだけ。静電気の式が磁界の式に化ける」
誘電率 ε(イプシロン)を、透磁率 μ(ミュー)に書き換える。たったそれだけで、静電気の世界の式が、そのまま磁界の世界の式に変身します。難しい暗記ではなく、1文字の置き換えだと思ってください。
ステップ1:まずは「双子の対応表」を眺める
細かい話に入る前に、全体像を一枚の表で掴みましょう。これが今日の主役です。
| 項目 | 静電気(電界) | 電磁力(磁界) |
|---|---|---|
| もとになる量 | 電荷 Q [C] | 磁荷 m [Wb] |
| 力の場 | 電界 E [V/m] | 磁界 H [A/m] |
| 通しやすさの定数 | 誘電率 ε [F/m] | 透磁率 μ [H/m] |
| 界の式 | ||
| 密度 | 電束密度 | 磁束密度 |
左の列を右の列に変えるとき、やっていることは ε → μ、Q → m、E → H の置き換えだけ。式の「形」はまったく同じです。怖がる必要はまったくありません。
ステップ2:「r は1乗か2乗か」問題を片づける
多くの人がここで詰まります。「あれ、距離 r って2乗だっけ、1乗だっけ……」と毎回迷ってしまう。
整理のしかたはシンプルです。
- 力・界(F・E・H)は、距離の「2乗」に反比例
- 電位 V だけは、距離の「1乗」に反比例
見比べてください。電界 E は 、電位 V は 。「界は2乗、電位は1乗」——この一言で迷いが消えます。なぜそうなるかは、「電位は電界を距離で積分したもの」だから1つ次数が下がる、と理解しておくと忘れません。
ステップ3:クーロン力の係数をペアで丸暗記する
静電気にも磁力にも「クーロンの法則」があり、2つの力の式はこうです。
ここでよく事故るのが、頭の係数の数字です。9.0×10⁹ と 6.33×10⁴、どっちがどっちか分からなくなる。
覚え方は「大きいほうが静電気」と紐づけるだけです。
| 係数の値 | |
|---|---|
| 静電気のクーロン力 | 約 9.0×10⁹ |
| 磁力のクーロン力 | 約 6.33×10⁴ |
桁が違う(10⁹ と 10⁴)ので、一度ペアで覚えれば取り違えません。**「静電気=9×10⁹(大)/磁力=6.33×10⁴(小)」**とセットで丸暗記してしまいましょう。
ステップ4:「磁界には電位 V がない」——双子だけど“非対称”
ここは双子の例外なので、先に押さえておくと後でラクです。
ステップ2で出てきた 電位 V[V] は、静電気だけにある項目です。磁界側に、これに「ぴったり対応する V」はありません。
| 項目 | 静電気 | 磁界 |
|---|---|---|
| 界 | 電界 E あり | 磁界 H あり |
| 電位(に相当) | 電位 V あり | 同等項目なし |
「双子なんだから磁界にも V があるはず」と探して時間を溶かす人がいます。ないものはない、と先に決めておくのが正解です。対応表のうち、ここだけが左右非対称——そう覚えておきましょう。
ステップ5:エネルギーの3つの式は「全部同じ」
最後はエネルギーです。静電エネルギーの式が3つ出てきて混乱する人が多いのですが、安心してください。
3つもあって難しそうに見えますが、やっていることは を代入しているだけです。
- の を に置き換え →
- さらに を入れる →
つまり3つは「同じ式の言い換え」。問題で与えられた文字に合わせて、使いやすい形を選べばいいだけです。「3つ覚える」のではなく「1つから3つに変形できる」と捉えると、一気にラクになります。
【現場の豆知識】 磁束密度 B の単位 [T]テスラは、病院のMRI(磁気共鳴画像)の機種名にそのまま使われています。「1.5T機」「3T機」と呼ばれ、数字が大きいほど高精細な画像が撮れます。教科書の中の記号が、実は最先端の医療現場で生きている——そう思うと少し親しみが湧きますね。電束密度 D と磁束密度 B は、コンデンサやコイルの設計で「材料の限界」を示す指標でもあり、ここを超えると絶縁破壊や磁気飽和が起きます。
まとめ
電磁力は、静電気とは別の新しい山ではありません。**公式までそっくりな『双子』**でした。
- εをμに替えるだけで、静電気の式が磁界の式に化ける(E=Q/4πεr² → H=m/4πμr²)
- 界は2乗、電位は1乗。r で迷わない
- 係数は 静電気=9×10⁹(大)/磁力=6.33×10⁴(小) をペアで暗記
- 電位 V があるのは静電気だけ。磁界側にはない(唯一の非対称)
- エネルギーの3式は Q=CV を代入しただけの言い換え
「電磁力が苦手」だった人ほど、この対応表の威力を感じられます。覚える量が半分になった分、浮いた時間を計算練習に回しましょう。あなたは、もう双子の見分け方を知っています。次の一問、自信を持って進んでください。
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