過電流遮断器を『高圧ヒューズは1.3倍で120分、省略は中性・接地・二次側』で丸ごと攻略
電験三種「法規」で毎年のように問われる過電流遮断器。高圧ヒューズの溶断条件(定格の1.3倍で120分以内)と、施設を省略できる3つの条件(中性線・接地側電線・低圧変圧器二次側)を、数字の混同を防ぐ覚え方つきでスッキリ整理します。「条件が多くて覚えられない」を「3点だけ」に圧縮する解説記事です。
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「過電流遮断器って、覚えることが多すぎませんか?」
1.25倍・1.3倍・2倍……と数字がいくつも出てきて、しかも「施設を省略できる条件」まで加わると、頭の中がこんがらがってしまう。法規のこの単元でつまずく方は本当に多いんです。
でも、安心してください。過電流遮断器は、たった数個の数字と、3つのキーワードさえ押さえれば、あとは一気につながります。今日はその「絞り込み方」を、一緒に整理していきましょう。読み終わるころには、「あれ、意外とシンプルだったな」と感じられるはずです。
この記事で身につくこと
- 高圧ヒューズの溶断条件(定格電流の1.3倍で120分以内)を、迷わず言えるようになる
- 混同しやすい 低圧(1.25倍)と高圧(1.3倍) の数字を、キレイに区別できるようになる
- 過電流遮断器の施設を省略できる3つの条件を、理由ごとセットで覚えられる
- 過電流保護と地絡(漏電)保護の役割の違いが分かり、ひっかけ問題に強くなる
暗記フレーズ:高圧ヒューズは1.3倍で120分以内、省略は中性・接地・二次側の3点
まずはこの記事の背骨になるフレーズを頭に入れてください。細かい条文を暗記する前に、この「型」を持っておくと、知識がスルスル入ってきます。
高圧ヒューズは1.3倍で120分以内、省略は中性・接地・二次側の3点
前半が「溶断条件」、後半が「省略条件」。この2ブロックに分けて考えるのがコツです。それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
ステップ1:高圧ヒューズは「1.3倍・120分」― まず前半をゴールにする
過電流遮断器の代表格が ヒューズ です。決められた値を超える電流が流れると、内部の金属が溶けて(溶断して)電路を切り、機器や電線を守ります。
電験で真っ先に問われるのが、この高圧ヒューズの溶断条件です。
高圧ヒューズは、定格電流の 1.3倍 の電流で 120分以内 に溶断すること
数字を丸暗記しようとすると、他の数字と混ざってつらくなります。そこで、こう覚えてください。
- 「高圧」には「3」が付く → 1.3倍
- 120分=2時間 → 高圧だからゆったり2時間まで待てる
「高圧は余裕をもって(時間長め)、でもしっかり(1.3倍)」というイメージです。
ここで は定格電流。定格の1.3倍の電流が流れたら、2時間以内には必ず切れる、という約束事だと考えてください。
ステップ2:低圧は「1.25倍」― 数字の取り違えを防ぐ
ここが最大のつまずきポイントです。高圧ヒューズが「1.3倍」なのに対し、低圧ヒューズは別の数字で規定されています。
| 区分 | 溶断の基準 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 低圧ヒューズ | 定格電流の 1.25倍(に耐え、2倍で規定時間内に溶断) | 低圧は「1.25」=細かい数字 |
| 高圧ヒューズ | 定格電流の 1.3倍 で 120分以内 に溶断 | 高圧は「3」が付く |
「低圧の2倍で2分以内」という規定を見て、「これって高圧の話だっけ?」と混乱する方がとても多い。あれは低圧の話です。高圧は「1.3倍・120分」だけ、とスッパリ切り分けてください。
- 低圧 → 1.25倍(数字が細かい=小さな設備向け、と結び付ける)
- 高圧 → 1.3倍・120分(「3」と「2時間」)
この2行だけを、声に出して2〜3回唱えておくと、本番で取り違えなくなります。
ステップ3:施設を省略できる3点 ―「中性・接地・二次側」
過電流遮断器は「どこにでも付ければいい」というものではありません。あえて施設を省略する(付けなくてよい) と定められた箇所があります。ここが多くて覚えづらい……と感じるのは、条文をそのまま追ってしまうから。
覚えるのは、次の 3つだけ に絞ってください。
| 省略できる箇所 | ひとことで言うと |
|---|---|
| ① 中性線 | 多線式電路の真ん中の線 |
| ② 接地側電線 | 接地されている側の線 |
| ③ 低圧変圧器の二次側 | 二次側(多線式電路の中性線を除く) |
覚え方はシンプルに、「中性・接地・二次側」 の3点。暗記フレーズの後半そのものです。「たくさんある」のではなく「3つしかない」と発想を切り替えるのがポイントです。
ステップ4:なぜ省略するの? ―「切らない方が安全」という逆説
「安全のために遮断器を付けるはずなのに、なぜ省略するの?」――ここを理解できると、丸暗記が一気にラクになります。
理由は、中性線や接地側電線を遮断器で切ってしまうと、かえって危険だから です。
これらの線を途中で切ると、残った電線の 対地電圧(大地に対する電圧)が上昇 し、感電の危険が高まってしまいます。つまり、
「切れる仕組み」を付けない方が、むしろ安全
という逆説的な構造なんです。「省略=手抜き」ではなく「省略=安全のための積極的な判断」。この一言を添えて覚えておくと、本番で条件を思い出しやすくなります。
ステップ5:過電流と地絡は「別の担当」― ひっかけ対策
最後に、混同しやすいポイントをもう一つ。過電流の保護と、地絡(漏電)の保護は、まったく別モノです。
| 守る対象 | 担当する機器 |
|---|---|
| 過負荷・短絡(電流が流れすぎる) | 過電流遮断器(ヒューズ・配線用遮断器など) |
| 地絡・漏電(大地へ電流が漏れる) | 漏電遮断器 |
過電流遮断器は「流れすぎ」を切るもの。「漏れ」を検知して切るのは漏電遮断器の仕事です。試験では、この2つをわざと入れ替えたひっかけが出ます。「過電流=流れすぎ/地絡=漏れ」と役割で覚えておけば、迷いません。
まとめ
過電流遮断器は、「数字が多い・条件が多い」と身構えてしまいがちですが、実際に押さえるのはごくわずかです。
- 高圧ヒューズは 1.3倍・120分(「高圧は3が付く」「120分=2時間」)
- 低圧は 1.25倍 ― 高圧と数字を取り違えない
- 省略できるのは中性・接地・二次側の3点だけ
- 省略する理由は 「切ると対地電圧が上がって危険だから」
- 過電流は過電流遮断器、地絡は漏電遮断器 ― 担当が別
「覚えることが多い単元」ではなく、「型さえ持てば得点源になる単元」です。今日のフレーズ――高圧ヒューズは1.3倍で120分以内、省略は中性・接地・二次側の3点――を、寝る前にもう一度つぶやいてみてください。それだけで、明日の理解の入り方が変わります。焦らず、一歩ずついきましょう。
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