等電位ボンディングを『主は建物まるごと・補助は浴室ピンポイント』で攻略
電験三種「法規」で意外とつまずく等電位ボンディング。主等電位ボンディングと補助等電位ボンディングの違い、そして『接地(アース)』との目的の違いを、場所の広さで一発整理。A種・B種接地工事の使い分けまで、苦手意識をまるごと解消する解説記事です。
🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く
「等電位ボンディング」――名前の時点で長くて難しそう、と身構えてしまった方も多いのではないでしょうか。しかも試験では「接地(アース)」とごちゃ混ぜになり、さらに「主」と「補助」の2種類が出てきて、頭の中がこんがらがる。法規のなかでも敬遠されがちな単元です。
でも安心してください。この単元は、たった2つの切り分けさえできれば一気にラクになります。ひとつは「主か補助か=場所の広さ」、もうひとつは「等電位ボンディングか接地か=目的の違い」。この2軸を押さえるだけで、苦手だった条文がスッと繋がります。今日はそこを一緒に整理していきましょう。
この記事で身につくこと
- 等電位ボンディングが「何をする工法なのか」を一言で説明できるようになる
- 主等電位ボンディングと補助等電位ボンディングを、場所の広さでスパッと区別できるようになる
- 混同しやすい「等電位ボンディング」と「接地(アース)」の目的の違いが分かる
- A種・B種接地工事を「どこに使うか」で丸暗記できるようになる
暗記フレーズ:主は建物まるごと・補助は浴室ピンポイント、電位差ゼロで感電ゼロ
まずはこの記事の背骨になるフレーズを頭に入れてしまいましょう。
主は建物まるごと・補助は浴室ピンポイント、電位差ゼロで感電ゼロ
「主=建物まるごと」「補助=浴室ピンポイント」という範囲の対比、そして「電位差ゼロ=感電ゼロ」という目的。この一行に、今日の内容の8割が詰まっています。細かい条文で迷ったら、いつでもここへ戻ってきてください。
ステップ1:そもそも等電位ボンディングとは何か
まず土台を固めます。等電位ボンディングとは、ひとことで言えば次のとおりです。
近くにある金属部分どうしを電線でつなぎ、電位差をなくして感電・漏電事故を防ぐ工法
なぜ電位差をなくすと感電しないのか。人が感電するのは、触れた2点の間に電位差(電圧)があり、体に電流が流れるからです。逆に言えば、身の回りの金属がすべて同じ電位なら、どこを触っても電位差が生まれず、電流は流れません。
体に流れる電流と電位差の関係は、オームの法則そのものです。
ここで (触れた2点間の電位差)を限りなくゼロに近づければ、体に流れる電流 もゼロに近づく――これが等電位ボンディングの狙いです。「金属を繋いで電位差を消す=感電を消す」と理解しておけば十分です。
ステップ2:主と補助は「場所の広さ」で区別する
多くの人がつまずく最初の壁が、「主等電位ボンディング」と「補助等電位ボンディング」の違いです。名前が似ていて覚えにくいのですが、区別の基準はシンプル。施工する場所の広さだけです。
| 種類 | 施工範囲 | イメージ | 対象の例 |
|---|---|---|---|
| 主等電位ボンディング | 建物全体 | 建物まるごと | 引込口付近で、幹線の金属管・水道管・ガス管などをまとめて接続 |
| 補助等電位ボンディング | 局所(水回りなど) | 浴室ピンポイント | 浴室内のシャワー金属部・水道管・暖房配管などを個別に接続 |
「主」は建物に入ってくる大元のところで、太い金属をドンとまとめて繋ぐ建物全体の対策。「補助」は、特に危険な水回りなどで局所的に施すピンポイントの対策です。
主=入口でまるごと、補助=危険な場所を個別に――場所の広さで割り切ってしまえば、もう迷いません。暗記フレーズの「主は建物まるごと・補助は浴室ピンポイント」がそのまま答えになっています。
ステップ3:等電位ボンディングと「接地(アース)」は目的が違う
次の壁が、「等電位ボンディング」と「接地(アース)」の混同です。どちらも安全のための工法なので混ざりやすいのですが、目的(相手)がまったく違います。
| 工法 | 繋ぐ相手 | 目的 |
|---|---|---|
| 接地(アース) | 金属と大地 | 大地を基準に電位を安定させ、異常電圧を逃がす |
| 等電位ボンディング | 金属と金属 | 金属部品どうしを同じ電位にして、電位差をなくす |
接地は「大地とつなぐ」タテの対策、等電位ボンディングは「金属どうしをつなぐ」ヨコの対策、とイメージすると分かりやすいでしょう。実際の設備では両方を組み合わせて安全を確保しますが、試験では「相手が大地か、金属どうしか」で見分ければ確実です。
ステップ4:A種・B種接地工事は「どこに使うか」で丸暗記
接地の話が出たところで、法規頻出の接地工事の種類も整理しておきましょう。とくにA種とB種は、理屈で悩むより適用箇所とセットで丸暗記するのが得策です。
| 種類 | 主な適用箇所 | 覚え方 |
|---|---|---|
| A種 | 非接地式高圧電路の機械器具の外箱など | 高圧の危険な部分=A |
| B種 | 高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点 | 高低圧をBind(結合)する変圧器 |
接地抵抗値もあわせて押さえておくと得点源になります。A種は原則として、
と非常に厳しい値が求められます。危険度が高い高圧部分だからこそ、確実に電流を大地へ逃がせるよう抵抗を小さく抑えるわけです。
「非接地式高圧電路の機械器具=A種」「高低圧を結合する変圧器=B種」。この2つの対応をそのまま覚えてしまえば、選択肢で迷うことはなくなります。
ステップ5:おまけ ―― 浴室は法令で義務化されている
最後に、試験の直接の範囲からは少し外れますが、記憶に残るための現場の話を1つ。
浴室の等電位ボンディングは、実は電気設備技術基準の解釈 第173条でしっかり義務付けられています。水にぬれた状態は体の抵抗が下がり、ごくわずかな電位差でも感電につながるため、水回りは特に厳重なのです。現場では、シャワーの金属部品・水道管・暖房配管など8種類以上の金属部を接続するのが常識とされています。
また近年は、古い浴室のリフォーム時に等電位ボンディングの施工義務が発生するケースも増えています。「なぜ浴室がそんなに念入りなのか」を知っておくと、条文がただの�સ暗記ではなく、生きた知識として頭に残ります。
まとめ
長い名前に身構えてしまう等電位ボンディングも、切り分けの軸さえ持てば、もう苦手単元ではありません。今日の要点を振り返りましょう。
- 等電位ボンディング=金属どうしを繋いで電位差をなくし、感電を防ぐ工法
- 主は建物まるごと・補助は浴室ピンポイント――主と補助は「場所の広さ」で区別する
- 等電位ボンディングは金属どうし、接地は大地――相手が違えば目的も違う
- 非接地式高圧電路の機械器具=A種、高低圧を結合する変圧器=B種――適用箇所で丸暗記
「電位差ゼロで感電ゼロ」。この一言に立ち返れば、条文はいつでも繋がります。今日つかんだ2つの切り分けを武器に、法規の得点をしっかり積み上げていきましょう。あなたの一歩は、確実に前に進んでいます。
Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シートがあります
実績2,000部突破。
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

🛒関連教材ショーケース
学習の効率を上げる、紙の本格教材ラインナップ。


この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう




