資格LABO
資格LABO
ズルい勉強法ラボ
理論 第33回 ⏱ 約12分で読めます

磁気回路のオームの法則とは?起磁力・磁束・磁気抵抗の対応

磁気回路は、電気回路のオームの法則と完全に対応しています。「起磁力=起電力/磁束=電流/磁気抵抗=電気抵抗」——この3対を押さえれば、電験三種「理論」の電磁力・磁気回路が苦手な人へ。実は磁気回路は、あなたが最初に覚えたオームの法則と完全対応しています。「起磁力=起電力/磁束=電流/磁気抵抗=電気抵抗

🃏 暗記フレーズ:電気→磁気、E→NI、I→φ、R→Rm 3対セットで丸ごと変換!

🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く

「電磁力」「磁気回路」——この言葉を見ただけで、そっとページを閉じたくなる方も多いのではないでしょうか。透磁率、起磁力、磁気抵抗……見慣れない記号が次々に出てきて、「これは自分には無理だ」と感じてしまう。独学で電験に挑む方が、理論の後半でつまずく代表的なポイントです。

でも、安心してください。実はこの分野、あなたがもう知っている「オームの法則」とまったく同じ形をしています。新しく覚えることは、ほとんどありません。今日は「苦手な磁気回路」を「知っているオームの法則」に変換して、一気に得点源に変えていきましょう。

この記事で身につくこと

  • 磁気回路が「オームの法則と完全対応している」という一番おいしい事実
  • 「起磁力・磁束・磁気抵抗」の3つが、それぞれ電気回路の何にあたるのか
  • 磁気抵抗 Rm を、丸暗記ではなく「意味」で立式する考え方
  • つまずきやすい単位(アンペア回数・H⁻¹)の正体
  • 実務(変圧器・モータ・MRI)でこの知識がどう生きているか

暗記フレーズ:「電気→磁気、E→NI、I→φ、R→Rm 3対セットで丸ごと変換!」

この記事で覚えていただきたいのは、たったこれだけです。

磁気回路を一から理解しようとすると大変ですが、**「電気回路の3つの要素を、磁気の言葉に置き換えるだけ」**と考えれば、驚くほど身軽になります。E(起電力)はNI(起磁力)へ、I(電流)はφ(磁束)へ、R(抵抗)はRm(磁気抵抗)へ。この3対をセットで丸ごと変換する——それが今日の合言葉です。


ステップ1:磁気回路は「オームの法則のそっくりさん」

まず、いちばん大事な事実からお伝えします。電気回路と磁気回路は、下の表のようにきれいに1対1で対応しています。

電気回路磁気回路役割
起電力 [V]起磁力 [A]押し出す力
電流 [A]磁束 [Wb]流れるもの
電気抵抗 [Ω]磁気抵抗 [H⁻¹]流れにくさ

電気回路のオームの法則は、みなさんご存じのこの形でした。

これを、そのまま右側の磁気の言葉に置き換えてみます。すると——

これが磁気回路のオームの法則です。形が完全に同じですね。つまり、電流を求めたいなら としたのと同じ要領で、磁束は で求まります。新しい公式を暗記したというより、知っている法則の「服を着替えさせた」だけなのです。

🃏 暗記シート
Q. 磁気回路のオームの法則で、電気回路の「起電力 E」に対応するものは何か?
💡 電気を押し流す力の、磁気版

ステップ2:起磁力 Fm = NI —— 磁束を押し出す力

電気回路で電流を押し流すのが「起電力(電圧)」でした。磁気回路でその役割を担うのが起磁力 です。

起磁力は、コイルの巻数 と、そこに流す電流 の掛け算で決まります。

イメージは単純です。「たくさん巻いて(N)、たくさん流せば(I)、強く押せる」。コイルをぐるぐる巻けば巻くほど、そして電流を強くするほど、磁束を押し出す力が大きくなる——それだけのことです。

ここで一つ、つまずきポイントに触れておきます。起磁力 の単位は、電流と同じ**[A(アンペア)]**なのですが、教科書によっては「アンペア回数(アンペアターン)」と書かれることがあります。「同じ記号なのに意味が違う?」と混乱しがちですが、心配いりません。巻数 N は“回数”という単位のない数なので、掛けても単位はアンペアのまま。ただ「巻数のぶんだけ効いていますよ」という意味を込めて“回数”と添えているだけ、と理解すれば十分です。

🃏 暗記シート
Q. 磁気回路のオームの法則で、電気回路の「電流 I」に対応するものは何か?

ステップ3:磁気抵抗 Rm —— 丸暗記せず「意味」で立てる

3つ目が、多くの方が最後まで苦手にする磁気抵抗 です。式はこう書かれます。

:磁路の長さ、:透磁率、:断面積)

この形をいきなり丸暗記しようとすると、頭に入りません。ここでも「電気抵抗のそっくりさん」として考えるのがコツです。電気抵抗も、実は同じ形をしていたのを思い出してください。

比べてみると、「長いほど流れにくい(分子に )」「太いほど流れやすい(分母に )」という発想がそっくりです。違いは、電気の「通しやすさ(導電率)」の代わりに、磁気では「透磁率 」=磁束の通しやすさが分母に入っているだけ。透磁率が大きい鉄などは磁束をよく通すので、磁気抵抗は小さくなる——理にかなっていますね。

単位の (ヘンリーの逆数)も直感的でなく戸惑いますが、これは無理に感覚で捉えようとせず、**「 の形から自然に出てくる単位」**と割り切って構いません。大切なのは形と意味であって、単位の語感ではありません。

🃏 暗記シート
Q. 磁気回路のオームの法則で、電気回路の「電気抵抗 R」に対応するものは何か?
💡 磁路長・透磁率・断面積で決まる

ステップ4:磁界に蓄えるエネルギーは「与えられた量」で選ぶ

もう一つ、混乱しやすいのが、磁界に蓄えられるエネルギー(単位体積あたり)の式です。次の3つが並んで出てきて、「どれを使えばいいの?」と手が止まります。

結論から言うと、3つは同じものを別の文字で書き換えただけです( を代入すると全部つながります)。ですから、暗記のコツはシンプルで——

問題文で「与えられている量」に合わせて選ぶ。

  • 磁界の強さ と透磁率 が分かっている →
  • 磁束密度 と磁界の強さ が分かっている →
  • 磁束密度 と透磁率 が分かっている →

「どれが正解か」ではなく「今わかっている文字にピッタリ合うのはどれか」で選ぶ。この視点さえ持てば、3式は“使い分けの選択肢”になり、怖くなくなります。

🃏 暗記シート
Q. 磁気回路とオームの法則の対応を丸ごと覚える暗記フレーズは?

ステップ5:この知識は現場でそのまま使われている

「試験のためだけの暗記」と思うと気が乗りませんが、この磁気回路のオームの法則は、実務の最前線でそのまま使われている知識です。

変圧器やモータの鉄心設計では、まさにこの考え方が設計の根幹になります。コイルの巻数 、鉄心の断面積 、磁路の長さ ——これらをどう決めるかは、今日学んだ そのもの。電験で学ぶ内容が、そっくり現場の設計と直結しているのです。

さらに面白いのが**エアギャップ(空隙)**の話です。磁気抵抗 は、磁路の途中にわずかな空気の隙間があるだけで急激に増えます(空気は透磁率が小さく、磁束を通しにくいため)。この「ギャップ管理」こそが、MRI装置や精密センサの核心技術。あなたが今つまずいている式が、病院の最新装置を支えている——そう思うと、少しだけ勉強の景色が変わってきませんか。

まとめ

電磁力・磁気回路は、電験理論で「苦手筆頭」に挙げられる分野です。でも、今日見てきた通り、その正体は**「知っているオームの法則の、服を着替えた姿」**でした。

  • 磁気回路は電気回路と完全対応している
  • 起磁力 (押す力)= 起電力
  • 磁束 (流れるもの)= 電流
  • 磁気抵抗 (流れにくさ)= 電気抵抗
  • エネルギーの3式は「与えられた量」で選ぶだけ

新しく覚えるのではなく、3対をセットで丸ごと変換する。「電気→磁気、E→NI、I→φ、R→Rm」——この合言葉さえ体に入れば、難しく見えた計算問題が、いつものオームの法則に姿を変えます。焦らず、一つずつ。あなたのペースで、確実に得点源にしていきましょう。

📖 ここまで読んだあなたへ

Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シート
があります

実績2,000部突破
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

📋ラミネート加工 🎨フルカラー 💧防水 🛁お風呂でもOK 🚃電車でもOK ♾️練習用紙で無限練習

この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう

この記事をシェア

資格LABO

この記事を書いた人

資格LABO

電験三種を含め、さまざまな資格を一発合格した経験をもとに、 忙しい社会人が最短距離で受かるための教材とYouTube解説を作っています。 暗記シート・講義ノートは累計2,000部を突破し、 多くの合格報告をいただいています。

保有資格

電気主任技術者電気工事士公害防止管理者放射線取扱主任者中学校・高等学校 教員免許
  • ⚡ 電験三種・電験二種の解説動画をYouTubeで公開中
  • 📚「勉強の過程」より「結果を重視」した教材の制作・販売
  • 🏋️ 過去問対策Webサービス「電験ジム」を開発・運営

スポンサーリンク

📚 理論科目の他の記事も読む

次は…(ローテーション順)
機械
誘導機のすべりsを「同期にどれだけ遅れているかの割合」で攻略

機能追加のご要望・バグ報告をお待ちしています

サイトをより良くするため、お気付きの点・「こんな機能が欲しい」「このページが見にくい」など、お気軽にご意見をお寄せください。

フィードバックを送る →