三相同期発電機の原理を「磁石グルグル・三相ビリビリ」で攻略する
電験三種「機械」科目の三相同期発電機を解説。同期速度 Ns=120f/p と起電力 E=4.44fNΦkw の2つの公式を、「磁石を回して三相交流を起こす」という一枚の絵から導きます。「同期」の意味、突極形と円筒形の違い、極数が増えると速度が下がる理屈まで、苦手意識を持つ方でも計算問題で確実に得点できる形に整理します。
🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く
「同期発電機って、なんだか名前からして難しそう…」 そう感じて、このページを開いてくださったのではないでしょうか。ご安心ください。三相同期発電機の正体は、**「磁石をグルグル回して、まわりのコイルに電気を起こす」**という、たったこれだけの機械です。
覚える公式も、実質2つだけ。しかもどちらも「磁石を回す絵」から自然に出てきます。苦手意識のかたまりに見えるこの単元を、今日ここで「得点源」に変えてしまいましょう。
この記事で身につくこと
- 三相同期発電機が「何をしている機械なのか」が、一枚の絵でわかる
- 同期速度 を、意味ごと丸暗記から卒業できる
- 起電力 の4.44の正体と、各記号の役割がわかる
- 「同期」の意味・突極形と円筒形の違い・極数と速度の関係という、試験の混乱ポイントをすべて解消できる
暗記フレーズ:磁石がグルグル→三相がビリビリ、速さは120f/p
まず、この一文だけ持ち帰ってください。
磁石がグルグル → 三相がビリビリ、速さは120f/p(いに零を付けたら速い!)
「磁石がグルグル」=回転子(磁石)が回る。 「三相がビリビリ」=まわりの固定子コイルに三相交流が生まれる。 「速さは120f/p」=その回転の速さ(同期速度)は で決まる。
このフレーズさえ体に入っていれば、あとの公式は全部この絵に「ぶら下げる」だけです。
ステップ1:まず「何をしている機械か」を一枚の絵で押さえる
複雑な公式に入る前に、機械の全体像です。三相同期発電機の中身は、大きく2つに分かれます。
| 部品 | 役割 | 動く? |
|---|---|---|
| 回転子(磁石) | 磁界をつくって回る | 回る |
| 固定子(コイル) | 磁界を切られて電気が生まれる | 止まっている |
ポイントは、**電気を取り出すのは「止まっているコイル側」**だということ。磁石を外から回してやると、まわりのコイルがその磁界を次々に浴びて、電圧が生まれます。3組のコイルを120度ずつずらして置いてあるので、出てくる電気は自然に「三相交流」になります。
これが「磁石がグルグル→三相がビリビリ」の中身です。難しい理屈は要りません。磁石を回せば、まわりのコイルに三相が出る。まずこの絵だけを頭に置いてください。
ステップ2:回る速さ=同期速度 Ns=120f/p
次に、その磁石が「どれくらいの速さで回るのか」です。これが同期速度 で、公式は次のとおり。
- :周波数[Hz](日本の商用電源なら50 or 60)
- :極数(磁石のN・Sの数)
暗記フレーズの「いに零(1・2・0)を付けたら速い!」で、分子の120を思い出してください。分母は極数 です。
具体例を1つ。日本の50Hzエリアで、4極の発電機だと──
この1500 min⁻¹は、実は火力発電のタービンの標準回転数です。教科書の公式が、そのまま現場の数字とつながっているわけですね。
ステップ3:生まれる電圧=起電力 E=4.44fNΦkw
磁石が回ると、コイルにどれだけの電圧が生まれるか。それを表すのが起電力 です。
記号が多くて身構えますが、意味は素直です。
| 記号 | 意味 | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| 定数 | から出る決まった数字 | |
| 周波数[Hz] | 速く変化するほど電圧UP | |
| 1相の巻数 | コイルをたくさん巻くほど電圧UP | |
| 1極あたりの磁束[Wb] | 磁石が強いほど電圧UP | |
| 巻線係数 | 実装上の損失(後述) |
・・ はどれも「大きいほど電圧が上がる」方向。ここは直感どおりです。頭の4.44だけが数字として覚えどころですが、これは「 を4で割った値」だと知っておけば忘れにくくなります。
巻線係数 kw の正体(試験では「1以下」でOK)
見慣れない は、巻線係数といいます。
コイルを実際に鉄心へ収めるときの「ちょっとした損失」を表す補正で、必ず1より小さくなります。試験対策としては、細かい中身より──
──とだけ覚えておけば十分です。「実装のロスなので1を超えない」。それでほとんどの問題は乗り切れます。
ステップ4:試験でつまずく3つのポイントを一気に解消
ここまでで公式は揃いました。あとは、多くの受験生が引っかかる「言葉のワナ」を潰しておきましょう。
①「同期」ってどういう意味?
回転子(磁石)が、回転磁界とぴったり同じ速さで回ること。それが「同期」です。誘導電動機のように「ずれる(すべる)」ことがなく、常に で回り続けます。すべりゼロ、と覚えてください。
② 突極形と円筒形の違い
これは極の「形」だけの違いです。中身の理屈は同じ。
| 形 | 極の形 | 速度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 突極形 | 突き出た形 | 低速 | 水力発電 |
| 円筒形 | 丸い円筒 | 高速 | 火力・原子力発電 |
「トッキョク=トッキュウ(特急)じゃなく、むしろゆっくり水力」──とダジャレで結びつけると忘れません。丸い円筒はビュンビュン高速、と対にして覚えましょう。
③ 極数pが増えると、なぜ速度が下がる?
の分母に があるから──では味気ないですね。理屈はこうです。
極が多いほど、磁石は1回転するだけでたくさんのサイクル(波)を刻みます。 だから、同じ50Hzを保つなら、極が多い機械はゆっくり回せば足りる。逆に極が少なければ、たくさん回らないと同じ周波数にならないので速く回す。極数と速度は「シーソーの関係」だと捉えてください。
まとめ
三相同期発電機は、けっして難しい機械ではありません。今日の要点を振り返りましょう。
- 正体:磁石(回転子)を回して、止まっている固定子コイルに三相交流を起こす機械
- 同期速度: ──「いに零を付けたら速い!」。50Hz・4極なら1500 min⁻¹
- 起電力: ── は大きいほど電圧UP、 は1以下の補正
- 同期=回転子が回転磁界と同じ速さ(すべりゼロ)
- 突極形=低速・水力/円筒形=高速・火力/原子力、極数が増えれば速度は下がる
「磁石がグルグル→三相がビリビリ、速さは120f/p」。この一枚の絵に、すべての公式をぶら下げるだけです。苦手だったはずのこの単元が、あなたの得点源に変わっていることを願っています。焦らず、一歩ずつ進めていきましょう。
Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シートがあります
実績2,000部突破。
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

🛒関連教材ショーケース
学習の効率を上げる、紙の本格教材ラインナップ。


この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう




