回転子の種類を「かご形はシンプル堅牢、巻線形はスリップリング」で攻略
電験三種「機械」科目の三相誘導電動機の回転子について解説。かご形と巻線形の2種類を、それぞれの構造と目的から整理します。かご形は「鳥かご」状のシンプルで頑丈な構造、巻線形はスリップリングとブラシで外部抵抗をつなぎ始動特性や速度を調整できる、という対比で丸暗記から卒業。スキューの効果まで、試験で確実に得点できる形にまとめます。
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三相誘導電動機の「回転子には2種類ある」と言われて、名前は覚えたけれど、どっちがどんな構造で、なぜ2種類も必要なのか——ここがモヤっとしたまま進んでしまう方はとても多いです。でも大丈夫です。この2つは「シンプルで頑丈なかご形」と「調整できる巻線形」という、たった1本の対比軸で整理できます。名前の暗記から、意味の理解へ。今日でここを卒業しましょう。
この記事で身につくこと
- かご形の「かご」が何を指すのか、構造としてイメージできるようになる
- 巻線形の「スリップリングとブラシ」の役割を、混同せずに説明できるようになる
- なぜ同じ回転子なのに2種類あるのか、「使う目的の違い」で答えられるようになる
- スキューの効果を、試験で問われる形(トルク向上・コギング防止)で即答できるようになる
暗記フレーズ:かご形はシンプル堅牢、巻線形はスリップリングで外部抵抗つなぎ
このフレーズさえ口に出せれば、回転子の問題の骨格は押さえたも同然です。前半でかご形の「構造の特徴」、後半で巻線形の「調整できる仕組み」を言い切っています。まずはこの1文を軸に、それぞれの中身を肉付けしていきましょう。
ステップ1:まず「回転子は2種類」という土台を置く
三相誘導電動機は、外側の固定子がつくる回転磁界で、内側の回転子を引きずるように回すモータです。この**回転子(回っている芯の部分)**に、大きく分けて2つのタイプがあります。
| 種類 | 構造の特徴 | 得意なこと |
|---|---|---|
| かご形 | 導体棒+短絡環の「鳥かご」状。ブラシなし | 汎用・大量生産・頑丈で保守いらず |
| 巻線形 | 巻線+スリップリング+ブラシ | 外部抵抗で始動特性・速度を調整 |
ポイントは、どちらも「三相誘導電動機の回転子」という同じ仲間だということ。役者は同じ舞台に立っていて、違うのは「性格」だけ、とイメージしてください。この土台があれば、以降の混乱はほとんど消えます。
ステップ2:かご形の「かご」の正体を見る
「かご形」という名前だけ聞くと、何がかごなのかピンと来ませんよね。ここが最初のつまずきポイントです。
構造はこうです。回転子の鉄心には、たくさんの溝(スロット)が空いています。その溝一本一本にアルミなどの導体棒を通し、その棒の両端を短絡環(リング)でぐるっとつなぎます。すると、棒とリングでできた全体が、ちょうど鳥かごのような形に見える——だから「かご形」です。
ここで大事なのは、かご形にはブラシもスリップリングも無いということ。外から線をつなぐ端子が無く、内部で電流がぐるっと閉じています。だから構造がシンプルで、こすれて減る部品(ブラシ)も無く、頑丈で保守が少ない。工場で使われる汎用モータの大半がかご形なのは、この「シンプル堅牢」がそのまま強みになるからです。
ステップ3:巻線形の「スリップリングとブラシ」を分けて理解する
巻線形でいちばん混同されやすいのが、スリップリングとブラシです。名前が並んで出てくるので、どっちがどっちだか分からなくなりがち。ここを一度きっちり分けておきましょう。
| 部品 | どこにある | 役割 |
|---|---|---|
| スリップリング | 回転する側(回転子)につく金属リング | 回転しながら電気を受け渡す「接点」 |
| ブラシ | 静止側から押し当てる | リングに触れて外部回路とつなぐ |
イメージは「回っているレコード盤(スリップリング)に、外から針(ブラシ)をそっと当てて音を拾う」感じです。回転している相手に、止まっている側から電気的に触れる——この橋渡しをするのがこの2部品の仕事です。
そしてこの仕組みのおかげで、巻線形は回転子の巻線を、外部の抵抗につなぐことができます。外部抵抗を足したり抜いたりすれば、始動時の電流を抑えたり、始動トルクを大きくしたり、速度特性を調整できる。これが巻線形の最大の売りです。
ステップ4:「なぜ2種類あるのか」は目的で答える
ここまで来れば、最後の疑問「同じ回転子なのに、なぜ2種類も必要なの?」にもう答えられます。答えは、使う目的が違うからです。
- かご形 … 汎用・大量生産向け。安くて頑丈、保守いらず。日常の工場モータはほぼこれ。
- 巻線形 … 大容量や、始動特性を細かく制御したい場面向け。外部抵抗で「効き方」を調整できる。
つまり「安さと頑丈さ」を取るならかご形、「調整の自由度」を取るなら巻線形。トレードオフの関係だと捉えると、スッと腑に落ちます。
最後に、かご形の応用としてよく問われるスキューも押さえておきましょう。これは回転子の溝をあえて斜めにする工夫です。溝をまっすぐ揃えると磁束がガタつき、トルクが脈打ったり引っかかったり(コギング)します。斜めにすると磁束の分布が滑らかになり、トルクの脈動を抑え、コギングを防ぐ。試験では「スキュー=トルク向上・コギング防止」とセットで覚えれば確実です。
まとめ
- 三相誘導電動機の回転子はかご形と巻線形の2種類。同じ仲間で、違うのは「性格」だけ。
- かご形=導体棒と短絡環でできた鳥かご状。ブラシもスリップリングも無く、シンプルで頑丈。汎用・大量生産向け。
- 巻線形=スリップリング+ブラシで回転子の巻線を外部抵抗につなぎ、始動特性や速度を調整できる。大容量・制御向け。
- スキューは溝を斜めにする工夫で、トルク脈動を抑えコギングを防ぐ。
- 迷ったら「かご形はシンプル堅牢、巻線形はスリップリングで外部抵抗つなぎ」——この1文に立ち返れば大丈夫です。
名前だけ丸暗記していた回転子が、「構造」と「目的」で語れるようになったはずです。ここが分かると、後の始動法や速度制御の単元がぐっと軽くなります。あなたのペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。
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