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機械 第27回 ⏱ 約10分で読めます

誘導電動機の速度制御5方式を「かご型3つ・巻線型2つ」で一気に整理する

電験三種「機械」科目の誘導電動機の速度制御を解説。回転数の式 N=Ns(1−s) を出発点に、周波数・極数・すべりのどれを変えるかで5方式を分類。かご型で使える3つ(周波数・極数・一次電圧)と、巻線型でしか使えない2つ(二次抵抗・二次励磁=クレーマ/セルビウス)に分けて、混乱しがちな速度制御を構造的に丸暗記から卒業します。

🃏 暗記フレーズ:かご型は周波数・極数・一次電圧。巻線型は二次抵抗・二次励磁(クレーマ/セルビウス)

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「誘導機の速度制御、5つもあって全部ごちゃ混ぜになる」——これ、機械科目でつまずく方の“あるある”です。周波数だの極数だの一次電圧だの、似た言葉が並んで、どれがどれだか分からなくなる。

でも安心してください。5方式をバラバラに丸暗記する必要はありません。たった1本の式を入り口にすれば、「かご型で使える3つ」「巻線型でしか使えない2つ」という形に、きれいに整理できます。今日はその地図をいっしょに描いていきましょう。

この記事で身につくこと

  • 速度制御のすべての出発点になる 回転数の式 の読み方
  • 5方式を「周波数・極数・すべりのどれを変えるか」で見分ける視点
  • かご型で使える3つと、巻線型でしか使えない2つの決定的な分かれ目
  • 試験でよく問われる クレーマとセルビウスの違い の連鎖

暗記フレーズ:かご型は周波数・極数・一次電圧、巻線型は二次抵抗・二次励磁

まず、これだけ声に出して覚えてしまいましょう。

「かご型は周波数・極数・一次電圧。巻線型は二次抵抗・二次励磁(クレーマ/セルビウス)。式は

5方式を「3つ+2つ」に割るだけで、頭の中の霧がスッと晴れます。あとはこの分類の“理由”を順番に押さえていきます。

ステップ1:すべての出発点は回転数の式

速度制御とは要するに「回転数 を変えること」です。では は何で決まるのか。ここを押さえれば、5方式は“バラバラの知識”ではなく“1つの式のバリエーション”に見えてきます。

この式に出てくる文字は、たった3つ。

記号名前変える方式
周波数周波数制御(VVVF)
極数極数切換
すべり一次電圧・二次抵抗・二次励磁

つまり**「 を変える・ を変える・ を変える」の3パターンしかない**のです。 を変える手段が3通りあるので、合計5方式。これが全体像です。

🃏 暗記シート
Q. 誘導電動機の回転数Nを決める式は?

ステップ2:かご型で使える3つ(周波数・極数・一次電圧)

ここで効いてくるのが「かご型か、巻線型か」という構造の違いです。かご型は回転子が短絡された棒(かご)だけで、外から線をつなぐ場所がありません。だから、いじれるのは固定子(一次)側からできることだけ。それが次の3つです。

方式何を変えるひとことメモ
①周波数制御(VVVF)同期速度ごと連続可変。電車でおなじみ
②極数切換巻き方を切り替える。段階的(とびとび)に変わる
③一次電圧制御電圧を下げてトルクを落とし、すべりで調整

①の周波数制御は、電圧と周波数の比 を一定に保ちながら周波数を変える方式。鉄道のあの「ヒュイーン」といううなり音は、まさに周波数が変化している証拠です。

③の一次電圧制御は少し直感に反するので、連鎖でつかみましょう。トルクは電圧の2乗に比例します。

電圧を下げる → トルクが下がる → 負荷を支えきれない → すべり が増える → が下がる。この一本道で覚えれば迷いません。

🃏 暗記シート
Q. かご型誘導電動機で使える速度制御3方式は?
🃏 暗記シート
Q. 一次電圧Vを下げると回転数が下がる仕組みは?
💡 T∝V²から連鎖で追う

ステップ3:巻線型だけの2つ(二次抵抗・二次励磁)

一方、巻線型はスリップリングを通じて二次側(回転子)に外部回路をつなげます。この“裏口”があるからこそ使えるのが、残りの2方式です。

方式何をするできる機種
④二次抵抗制御二次側に外部抵抗を入れてすべりを変える(比例推移)巻線型のみ
⑤二次励磁制御二次側に電圧を加えてすべりを操る巻線型のみ

「④二次抵抗制御がかご型にできないのはなぜ?」——答えは明快で、かご型には抵抗をつなぐ端子がないから。ここが3つと2つを分ける一番のポイントです。ちなみに巻線型は昔は大型クレーンや巻き上げ機で活躍しましたが、現代ではインバータ制御のかご型への置き換えが進んでいます。

🃏 暗記シート
Q. 巻線型でしか使えない速度制御2方式は?
💡 決め手はスリップリングの有無

ステップ4:クレーマとセルビウスの違い

最後に、⑤二次励磁制御の中身です。試験では「クレーマ」と「セルビウス」の区別がよく問われます。覚え方は、セルビウスはクレーマの進化形という関係でとらえること。

方式二次側で取り出した電力をどうする?
クレーマ方式整流して消費(または機械動力として再利用)
セルビウス方式整流したうえで、さらに電源へ回生(返送)

ざっくり言えば、クレーマは「使い切る」、セルビウスは「電源に返してムダにしない」。返送する分だけセルビウスのほうが効率に優れた“一歩進んだ方式”、と覚えておけば十分です。

🃏 暗記シート
Q. クレーマ方式とセルビウス方式の違いは?

まとめ

誘導電動機の速度制御は、暗記すべき“5つの呪文”ではありません。たった1本の式 のどこを動かすか、それだけの話でした。

  • 速度制御= のどれを変えるか
  • かご型で使える3つ:周波数(VVVF)・極数切換・一次電圧
  • 巻線型でしか使えない2つ:二次抵抗・二次励磁(クレーマ/セルビウス)
  • 分かれ目はスリップリングで二次側にアクセスできるか
  • セルビウスは電源へ回生するクレーマの進化形

「苦手」だった速度制御も、この“3つ+2つ”の地図さえ手元にあれば、もう本番で迷うことはありません。今日のフレーズを口に出して、自分のものにしていきましょう。

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