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機械 第23回 ⏱ 約11分で読めます

誘導機の出力比は「1:s:1-s」で芋づる式に!すべりだけで全部わかる

電験三種「機械」科目の誘導機を解説。二次入力P2・二次銅損Pc2・機械的出力Pmが、すべりsを使って P2:Pc2:Pm=1:s:1-s というシンプルな比で表せることを、エネルギーの流れから直感的に理解。等価回路の負荷抵抗 (1-s)/s・r2 の意味や、すべりと効率の関係まで、計算問題で確実に得点できる形で整理します。

🃏 暗記フレーズ:P2:Pc2:Pm = 1:s:1-s

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この記事で身につくこと

電験三種「機械」科目のヤマ場のひとつが、誘導機の 電力の流れ。 「二次入力」「二次銅損」「機械的出力」と、似たような言葉が並び、しかもそれぞれに公式があって……と、ここで頭が真っ白になる受験生は本当に多いんです。

でも安心してください。この3つの電力、実は すべり s を使った「たった1つの比」 にまとまります。

  • P2:Pc2:Pm = 1:s:1-s

この比さえ頭に入っていれば、3つの公式を別々に覚える必要はありません。どれか1つの値が分かれば、残りは 芋づる式 に出てきます。

本記事を読み終えたら、

  • 誘導機の3つの電力の関係を「1:s:1-s」の一言で説明できる
  • どれか1つの電力から、残り2つを即座に計算できる
  • 等価回路の「負荷抵抗 (1-s)/s・r2」の意味が腑に落ちる
  • すべり s と効率の関係まで言える

ようになります。

暗記フレーズ:1:s:1-s

P2(二次入力):Pc2(二次銅損):Pm(機械的出力)= 1:s:1-s

これだけ覚えてしまえば、誘導機の電力問題の8割は片付きます。 3つの登場人物の関係を、まず整理していきましょう。

3人の登場人物:P2・Pc2・Pm

回転子(二次側)に渡ってきた電力が、どう使われるのかを追いかけます。

  • P2(二次入力) … 回転子側に渡る電力。すべての基準になる「1」。
  • Pc2(二次銅損) … 二次抵抗 r2 で熱として消費される損失。比は「s」。
  • Pm(機械的出力) … 軸から取り出せる本来ほしい動力。比は「1-s」。

ポイントは、P2 が Pc2 と Pm に分かれるだけ、という単純な構造です。

入ってきた電力(P2)が、一部は熱でロス(Pc2)、残りが仕事(Pm)になる。 発電機の「入力=出力+損失」と同じ、エネルギー保存のごく当たり前の話です。

🃏 暗記シート
Q. 誘導機の二次入力P2・二次銅損Pc2・機械的出力Pmの比は?

なぜ「1:s:1-s」になるのか

カギは 二次銅損 Pc2 が、二次入力 P2 のちょうど s 倍 になる、という1点です。

すべり s は「同期速度に対する回転子の遅れの割合」。 回転子が同期速度に対してどれだけ滑っているか、その割合の分だけが熱(銅損)として失われる、とイメージしてください。

すると残りはこうなります。

つまり、

P2 で全体をくくり出すだけ。だから きれいに 1:s:1-s に揃うわけです。

🃏 暗記シート
Q. 誘導機で二次入力P2を基準「1」としたとき、二次銅損Pc2と機械的出力Pmはそれぞれいくつ?
💡 P2 = Pc2 + Pm に分かれる

使い方:1つ分かれば芋づる式

この比のありがたさは、どれか1つの値とすべり s が分かれば、残りが全部出る ところ。

分かっているもの求め方
P2 と sPc2 = sP2、Pm = (1-s)P2
Pc2 と sP2 = Pc2 / s、Pm = (1-s)/s × Pc2
Pm と sP2 = Pm / (1-s)、Pc2 = s/(1-s) × Pm

例えば「二次入力 P2 = 1000 W、すべり s = 0.05」なら、

  • 二次銅損 Pc2 = 0.05 × 1000 = 50 W
  • 機械的出力 Pm = (1 − 0.05) × 1000 = 950 W

電卓を叩く前に、比を当てはめるだけで答えの形が見えてしまいます。

等価回路の「負荷抵抗」もこの比から

誘導機の等価回路では、機械的出力 Pm を 1つの抵抗で消費される電力 として表現します。その抵抗が、

二次抵抗 r2 に流れる電流を I2 とすると、

  • 二次銅損:
  • 機械的出力:

この2つの比をとると、ちゃんと

となり、やっぱり 1:s:1-s の世界に戻ってきます。 「(1-s)/s・r2 を負荷抵抗とみなす」という一見ややこしい話も、元をたどればこの比の言い換えに過ぎません。

🃏 暗記シート
Q. 誘導機の等価回路で、機械的出力Pmを表す「負荷抵抗」はどう書ける?

すべり s が小さいほど高効率

最後に、比 1:s:1-s から読み取れる大事な性質を1つ。

二次銅損は Pc2 = sP2。つまり すべり s が小さいほど、熱でロスする割合が減る。 その分、機械的出力 Pm = (1−s)P2 の割合が大きくなります。

すべり sPc2 の割合Pm の割合効率の傾向
大きい大(ロス多い)低い
小さい小(ロス少ない)高い

実際の誘導電動機が すべり数% という小さな値で運転されるのは、まさにこの「sを小さく保って高効率にする」ためなんです。比の式が、機械の設計思想までちゃんと教えてくれます。

🃏 暗記シート
Q. 誘導機ですべりsが小さいほど、効率はどうなる?
💡 比 1:s:1-s で s が小さいと?

まとめ:試験直前マスター設計図

項目内容
基本の比P2:Pc2:Pm = 1:s:1-s
二次銅損Pc2 = sP2
機械的出力Pm = (1-s)P2
エネルギー保存P2 = Pc2 + Pm
等価回路の負荷抵抗(1-s)/s × r2
すべりと効率s が小さいほど高効率
  • 誘導機の3つの電力は すべり s 1つで全部つながる
  • 公式を別々に暗記せず、1:s:1-s の比で芋づる式に求める
  • 等価回路の負荷抵抗 (1-s)/s・r2 も、元はこの比の言い換え
  • s が小さいほど銅損が減り高効率 ── 実機が低すべり運転なのもこのため

暗記フレーズ:P2:Pc2:Pm = 1:s:1-s

このたった一行が口をついて出るようになれば、誘導機の電力計算はもう得点源です。

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