資格LABO
資格LABO
ズルい勉強法ラボ
機械 第22回 ⏱ 約14分で読めます

誘導機のT形等価回路を「一次→励磁→二次」で攻略!(1−s)/sが機械出力

電験三種「機械」科目の誘導機のT形等価回路を解説。一次側(r₁・x₁)、励磁回路(g₀・b₀)、二次側(a²r₂・a²x₂)の3ブロックに分けて構造的に理解。巻数比a²の換算、二次抵抗が銅損と機械出力a²r₂(1−s)/sに分かれる理由、すべりs=1・0・運転時の変化まで、計算問題で確実に得点できる形で整理します。

🃏 暗記フレーズ:一次→励磁→二次、(1−s)/sは出力

🎥 動画でも解説しています > YouTubeで開く

この記事で身につくこと

電験三種「機械」科目で多くの受験生が手こずるのが、誘導機の T形等価回路 です。 抵抗・リアクタンスがズラリと並び、おまけに「a²」だの「(1−s)/s」だのが顔を出すので、ここで一気に苦手意識を持つ方が本当に多いんです。

でも安心してください。この回路は、変圧器の等価回路に「すべり s」を組み込んだだけ一次 → 励磁 → 二次 の3ブロックに切り分けて見れば、構造としてスッキリ理解できます。

本記事を読み終えたら、

  • T形等価回路を「一次・励磁・二次」の3ブロックで説明できる
  • 二次側に巻数比の2乗 a² を掛ける意味がわかる(試験頻出)
  • 二次抵抗が 銅損機械出力 a²r₂(1−s)/s に分かれる理由を言える
  • すべり s=1・s=0・運転時で回路がどう変わるかを即答できる

ようになります。

暗記フレーズ:一次→励磁→二次、(1−s)/sは出力

左から「一次(r₁・x₁)→ 励磁(g₀・b₀)→ 二次(a²r₂・a²x₂)」 二次抵抗の (1−s)/s の項が、軸から出る機械出力

この2行が頭にあれば、ゴチャゴチャした回路図の中で「どこが何を表しているか」が一瞬で見えるようになります。

T形等価回路の全体像は「変圧器+すべり」

まず、回路全体を左から右へ眺めてみましょう。電源につながる一次側から、エネルギーが流れていく順番に並んでいます。

ブロック構成要素役割
① 一次側r₁(一次抵抗)・x₁(一次漏れリアクタンス)電源から見た固定子側
② 励磁回路g₀(励磁コンダクタンス)・b₀(励磁サセプタンス)鉄損と磁束生成
③ 二次側a²r₂(二次抵抗)・a²x₂(二次漏れリアクタンス)回転子側を一次へ換算

形が アルファベットのT に似ているので「T形等価回路」と呼ばれます。 一次と二次の “横棒” の間に、励磁回路が “縦棒” としてぶら下がっているイメージです。

ポイントは、全体の骨格は変圧器の等価回路とまったく同じ だということ。 違うのは、二次側に すべり s が組み込まれている一点だけです。

🃏 暗記シート
Q. 誘導機のT形等価回路は、どんな3ブロックで構成される?

ブロック①:一次側 r₁・x₁

電源につながる側、つまり固定子側です。

  • r₁:一次巻線の抵抗 → 一次銅損を生む
  • x₁:一次漏れリアクタンス → コイルからこぼれる磁束ぶんの誘導性

ここは変圧器の一次側とまったく同じ考え方で、特別なクセはありません。 「電源から最初に通る関門」とだけ押さえればOKです。

ブロック②:励磁回路 g₀・b₀ の役割の違い

一次と二次の間に挟まる 並列分岐 が励磁回路です。ここで多くの人が「g₀ と b₀、どっちが何だっけ?」と曖昧になります。役割をハッキリ分けましょう。

記号名前役割エネルギー
g₀励磁コンダクタンス鉄損(ヒステリシス損・渦電流損)消費する(熱になる)
b₀励磁サセプタンス磁束をつくる消費しない(磁界を立てる)

ざっくり言うと、

g₀ は「電気を食って熱になる」=鉄損、b₀ は「磁界を立てる」係

g₀ は実際にエネルギーを消費する成分、b₀ は磁束を生むための無効分、と覚えれば混同しません。

🃏 暗記シート
Q. 励磁回路の g₀ と b₀ はそれぞれ何を表す?

ブロック③:二次側で「a²」を掛ける意味(ここで9割が混乱)

試験で 最も詰まりやすいのがここ。二次側(回転子側)の値を、一次側を基準に揃えて表すために 巻数比 a の2乗 を掛けて換算します。

  • 二次抵抗:a²r₂
  • 二次漏れリアクタンス:a²x₂
  • 二次起電力:aE₂

ここで間違えやすいのが、a の掛かり方が量によって違う という点です。

換算a の掛かり方
抵抗 r₂a²r₂2乗
リアクタンス x₂a²x₂2乗
起電力 E₂aE₂1乗

⚠️ 試験頻出のひっかけ:「電圧にも a² を掛ける」は 誤り。電圧(起電力)は a の1乗、抵抗・リアクタンスは a の2乗です。

なぜ抵抗だけ2乗かというと、変圧器と同じく「電圧は a 倍・電流は 1/a 倍 → 抵抗(電圧÷電流)は a² 倍」になるから。ここは理屈で押さえると忘れません。

🃏 暗記シート
Q. 二次側の値に巻数比の2乗 a² を掛けるのはなぜ?
💡 抵抗は2乗、電圧は1乗

二次抵抗が「2つ」に分かれる理由 ── (1−s)/s が機械出力

T形等価回路の 最大の山場 がここです。 二次側の抵抗は、すべり s を使うと次のように2つの項に分解できます。

この2つは、それぞれ別のものを表しています。

表すもの
a²r₂二次銅損(巻線で熱として失われる分)
a²r₂(1−s)/s機械出力(軸から取り出される仕事)

つまり、二次側に流れ込んだ電力のうち、

  • a²r₂ の分は熱(銅損)として捨てられ、
  • a²r₂(1−s)/s の分が、回転する力=機械出力になる

というわけです。

💡 覚え方:余計な (1−s)/s が付いている方が「働く(出力する)係」。シンプルな a²r₂ は「ただ熱くなる(銅損)係」。

機械出力そのものは、二次電流 I₂ を使って次のように書けます。

🃏 暗記シート
Q. T形等価回路で機械出力を表す項は?

すべり s で回路はこう変わる(s=1・s=0・運転時)

(1−s)/s の項にすべりの値を入れてみると、誘導機の3つの状態がそのまま回路に現れます。これは出題の定番です。

状態すべり s(1−s)/s回路の様子
始動時s = 10出力項が消える → インピーダンス極小 → 大電流
運転時0 < s < 1正の有限値出力項が現れ、軸から仕事を取り出す
同期速度s = 0出力項が無限大 → 二次電流が流れない

s=0(同期速度)で (1−s)/s が無限大になるのは、「回転子が磁界と同じ速さで回ると磁束を切らず、起電力も電流も発生しない」という誘導機の本質と一致します。

🃏 暗記シート
Q. 始動時(s=1)に二次側のインピーダンスはどうなる?
💡 (1−s)/sにs=1を代入

現場の豆知識:始動電流とL形等価回路

試験の外の話ですが、知っておくとグッと記憶に定着します。

  • 始動電流は定格の5〜7倍:実機の誘導電動機をスイッチオンした瞬間、定格電流の5〜7倍もの突入電流が流れます。これはまさに上の表のとおり、s=1 で出力項 (1−s)/s が消えてインピーダンスが極小になるためです。
  • 現場では L形等価回路が主流:大型機の計算では、励磁回路を電源側(入口)に寄せた 簡易等価回路(L形等価回路) を使うのが一般的。T形より計算がぐっと楽になります。まずは大本のT形をしっかり理解しておけば、L形は「励磁を端に寄せただけ」とすんなり飲み込めます。

まとめ:T形等価回路 試験直前チェックリスト

項目内容
全体構成一次(r₁・x₁)→ 励磁(g₀・b₀)→ 二次(a²r₂・a²x₂)
励磁回路g₀=鉄損b₀=磁束生成
二次の換算抵抗・リアクタンスは 、起電力は a(掛け方が違う)
二次抵抗の分解a²r₂(銅損)a²r₂(1−s)/s(機械出力)
すべりの効果s=1で出力項0(大電流)/ s=0で出力項∞(電流ゼロ)
  • 骨格は 変圧器の等価回路+すべり s ── ゼロから覚える必要はない
  • 「一次→励磁→二次」 の順に切り分ければ迷わない
  • 二次抵抗の (1−s)/s が付いた方が機械出力、付かない方が銅損
  • すべりを代入すれば、始動・運転・同期速度の3状態が回路に見える

暗記フレーズ:一次→励磁→二次、(1−s)/sは出力

このフレーズと3ブロックの並びが頭に入れば、誘導機の等価回路はもう怖くありません。

📖 ここまで読んだあなたへ

Webの何倍も覚えやすい
紙のフルラミネート加工の
暗記シート
があります

実績2,000部突破
お風呂や電車のスキマ時間でサクッと勉強できます。
付属の練習用紙で無限に練習できます♪

📋ラミネート加工 🎨フルカラー 💧防水 🛁お風呂でもOK 🚃電車でもOK ♾️練習用紙で無限練習

この記事を読み終えたら、進捗を記録しましょう

この記事をシェア

📚 機械科目の他の記事も読む

次は…(ローテーション順)
電力
燃料電池の4種類は『コ・リン・ヨウ・コで温度UP』で攻略

機能追加のご要望・バグ報告をお待ちしています

サイトをより良くするため、お気付きの点・「こんな機能が欲しい」「このページが見にくい」など、お気軽にご意見をお寄せください。

フィードバックを送る →