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理論 第32回 ⏱ 約11分で読めます

和動接続と差動接続の違い|自己・相互インダクタンス

和動接続は L=L1+L2+2M、差動接続は L=L1+L2-2M。なぜ2Mを足し引きするのかを、コイルの「磁束のつながり方」から理解します。自己インダクタンスの3公式、結合係数まで電験三種「理論」でつまずきやすいインダクタンスを、コイルの「磁束のつながりやすさ」というイメージから一気に攻略。自己イ

🃏 暗記フレーズ:自己はNの2乗比、相互はk√L₁L₂、和動は足す、差動は引く

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「インダクタンス」と聞くと、公式がいくつも出てきて、しかも和動・差動でプラスマイナスまで迷う——ここで手が止まってしまう方、とても多いんです。でも大丈夫。実はこの分野、たった1つのイメージを持てば、バラバラに見えた公式が一本につながります。

そのイメージは、コイルの「磁束のつながりやすさ」。今日はここを土台に、公式・符号・接続の合成まで、順番にほどいていきましょう。読み終わるころには、「Mを足すの?引くの?」でもう迷わなくなっているはずです。

この記事で身につくこと

  • 自己インダクタンス L が持つ 3つの公式が「全部同じもの」だと分かる(丸暗記が激減します)
  • 相互インダクタンス M と結合係数 k の関係を、変圧器のイメージでスッキリつかめる
  • 和動接続・差動接続の 符号ミスをゼロにする覚え方が手に入る
  • レンツの法則の「マイナス符号」の正体が分かり、計算で怖くなくなる

暗記フレーズ:自己はNの2乗比、相互はk√L₁L₂、和動は足す、差動は引く

まずは今日のゴールを、この1フレーズに凝縮しておきます。

「自己はNの2乗比、相互はk√L₁L₂、和動は足す、差動は引く」

  • 自己インダクタンス L は、巻数 N の 2乗に比例する
  • 相互インダクタンス M は、結合係数 k と √(L₁L₂) の掛け算
  • 和動接続なら 2M を 足す、差動接続なら 2M を 引く

この4つの要素を、これから1つずつ「なぜそうなるか」まで含めて味わっていきます。意味が分かると、フレーズは一気に覚えやすくなりますよ。

ステップ1:自己インダクタンス L —— 3つの公式は「全部同じL」

自己インダクタンスとは、コイルに流れる電流が作る磁束が、コイル自身とどれだけつながっているかを表す値です。ひと言でいえば「そのコイルの磁束のつながりやすさ」。

定義はこうです。磁束鎖交数(磁束 φ に巻数 N を掛けたもの)を、電流 I で割ります。

3つ並ぶと「うっ」となりますが、ここが最大のポイントです。これは全部、同じ L を別の切り口で書いただけなんです。

式の形どんな場面で使うか
磁束 φ や電流 I が具体的に与えられているとき(定義そのもの)
磁気抵抗 Rm が出てくる「磁気回路」の問題
鉄心の断面積 A・長さ ℓ・透磁率が与えられたとき

3つに共通しているのは、L が巻数 N の2乗に比例していること。「コイルを密に巻くほど L が大きくなる」というのは、この N² のことなんですね。試験でどれを使うかは「問題文に何が与えられているか」で選べばOK。3つを別々に暗記する必要はありません。

🃏 暗記シート
Q. 自己インダクタンス L の定義式を、「磁束鎖交数」を使って立式してください
💡 Nφ を I で割る

ステップ2:レンツの法則の「マイナス符号」の正体

自己インダクタンスがあるコイルでは、電流が変化すると、それを打ち消そうとする起電力(自己誘導起電力)が生まれます。式はこちら。

多くの方がここで「なんでマイナス?」と固まります。でも意味は単純です。このマイナスは「変化を妨げる向き」を表しているだけ。電流を増やそうとすれば減らす向きに、減らそうとすれば増やす向きに起電力が出る——これがレンツの法則です。

大事なコツ:起電力の「大きさ」を問われたら、符号は気にせず |e| で考える。マイナスは向きの情報であって、大きさの計算には影響しません。ここを割り切れると、一気に楽になります。

🃏 暗記シート
Q. e = −L(ΔI/Δt) のマイナス符号は何を表しているか?
💡 向き?大きさ?

ステップ3:相互インダクタンス M と結合係数 k

コイルが2つ並んでいると、一方の電流変化が、もう一方にも起電力を生みます。この「2つのコイルの結びつきの強さ」が相互インダクタンス M です。

M は、それぞれの自己インダクタンス L₁・L₂ と、結合の強さを表す結合係数 k(0〜1の値)から求まります。

  • k = 0:まったく結びついていない(磁束が相手に届かない)
  • k = 1:完全結合。すべての磁束が両方のコイルを貫く

ここが現場につながる面白いところです。変圧器は、この相互インダクタンスそのものの応用なんです。k = 1(完全結合)のとき M = √(L₁L₂) となり、これが理想変圧器の巻数比の関係につながっていきます。無味乾燥に見える公式が、実際の機器の心臓部だと思うと、少し親しみが湧きませんか。

🃏 暗記シート
Q. 相互インダクタンス M を、結合係数 k と L₁・L₂ で表してください
💡 k と 平方根

ステップ4:和動接続・差動接続 —— 符号ミスをゼロにする

2つのコイルを直列につないだときの合成インダクタンスが、この分野の最頻出にして最大の落とし穴です。M を足すのか引くのかで迷い、失点する方が本当に多い。

でも、覚え方はシンプルです。「磁束が同じ向きに助け合う=和動、打ち消し合う=差動」。向きで判断します。

接続磁束の向き合成インダクタンス
和動接続同じ向き(助け合う)
差動接続逆向き(打ち消す)

迷ったときは、こう考えてください。磁束が助け合う(和動)なら、全体のインダクタンスは「増える」→ だから足す。打ち消し合う(差動)なら「減る」→ だから引く。符号を丸暗記するのではなく、「増えるか・減るか」で判断すれば、もう間違えません。

なお、2M の「2」を忘れやすいので、そこも要注意。M は2つのコイルのお互いへの影響なので、2回分(2M)効いてきます。

🃏 暗記シート
Q. 和動接続と差動接続、それぞれの合成インダクタンスは?
💡 増える/減るで判断

まとめ

今日の内容を、最初のフレーズでもう一度たどってみましょう。

「自己はNの2乗比、相互はk√L₁L₂、和動は足す、差動は引く」

  • 自己インダクタンス L:3つの公式は全部「同じ L」。共通点は N² に比例すること
  • レンツのマイナス:変化を妨げる「向き」の記号。大きさは |e| でOK
  • 相互インダクタンス M = k√(L₁L₂):結合の強さ k で決まる。変圧器の心臓部
  • 和動=足す・差動=引く:磁束が助け合えば増える、打ち消せば減る

バラバラの公式に見えていたものが、「磁束のつながりやすさ」という1つの軸でつながったのではないでしょうか。インダクタンスは、意味さえつかめば得点を稼げる分野です。苦手意識があった方こそ、ここを固めると理論全体が一段安定しますよ。焦らず、1つずつで大丈夫。今日のフレーズを口に出して、しっかり自分のものにしていきましょう。

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この記事を書いた人

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電験三種を含め、さまざまな資格を一発合格した経験をもとに、 忙しい社会人が最短距離で受かるための教材とYouTube解説を作っています。 暗記シート・講義ノートは累計2,000部を突破し、 多くの合格報告をいただいています。

保有資格

電気主任技術者電気工事士公害防止管理者放射線取扱主任者中学校・高等学校 教員免許
  • ⚡ 電験三種・電験二種の解説動画をYouTubeで公開中
  • 📚「勉強の過程」より「結果を重視」した教材の制作・販売
  • 🏋️ 過去問対策Webサービス「電験ジム」を開発・運営

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